コーポレートサイトの情報設計は「3階層で止める」——深くしない決め方
中小規模のコーポレートサイトなら、階層はトップ・カテゴリ・詳細の3つで止めると、迷いにくく運用もしやすくなります。3クリックルールとは別の話として、私が情報設計で使っている「止め方」を書きます。
結論から書くと、中小規模のコーポレートサイトでは、ページの階層を「トップ → カテゴリ → 詳細」の3つで止めるようにしています。4階層目が欲しくなったら、それは階層を足す合図ではなく、カテゴリの切り方を見直す合図として扱います。
先に断っておくと、これは「3クリック以内にすべての情報へ届くべき」という話ではありません。Nielsen Norman Group の The 3-Click Rule for Navigation Is False では、3クリックルールを裏付けるデータは公開された研究で示されていない、と整理されています。クリック数そのものより、次に何を押せばよいかが分かること(情報の匂い)が大事だという立場です。私の「3階層」は、ユーザーの迷いにくさと、社内で更新し続けられるかどうかを両立させるための、運用上の上限です。
深い階層で起きていたこと
以前担当したサイトで、「事業紹介 → 事業部 → サービス → 導入事例 → 事例詳細」と5階層になっていたことがあります。組織図をそのままサイトマップにした結果でした。起きていたのは次のようなことです。
- 事例詳細にたどり着く前に、途中の一覧ページで離脱している
- 途中の階層ページに中身がなく、リンクが並ぶだけになっている
- 更新担当者が「どこに置けばいいか」を毎回聞いてくる
NN/g の Flat vs. Deep Website Hierarchies でも、深い階層ではユーザーが迷ったり、面倒になって諦めたりしやすいと指摘されています。一方で、浅くしすぎてメニューの選択肢が多すぎると見落としが増える、とも書かれています。どちらかの極端に振らず、区別しやすいカテゴリが作れるなら浅い構造がうまく働く、というのが同記事の趣旨だと私は読んでいます。
3階層の中身をどう決めるか
私が使っている型は次の通りです。
| 階層 | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| 1:トップ | 何の会社か、どこへ行けばいいかを示す | トップページ |
| 2:カテゴリ | 来た人の目的ごとの入口 | サービス/事例/会社情報/採用/お問い合わせ |
| 3:詳細 | 判断材料そのもの | 各サービス、各事例、代表メッセージ |
ポイントは2階層目の切り方です。組織の部署名ではなく、来た人が何をしに来たかで分けます。見込み客、求職者、取引先、メディアでは持ち帰りたいものが違うので、その違いがそのまま入口になります。
2階層目の数は、グローバルナビに無理なく並ぶ範囲に収めます。項目が増えそうなときは、「会社概要」「沿革」「アクセス」を「会社情報」の中にまとめる、といった寄せ方をします。
4階層目が欲しくなったときの3つの逃がし方
それでも情報が増えて、もう一段掘りたくなる場面はあります。そのとき私は、階層を足す前に次の3つを検討します。
- 1ページにまとめる:短い下位ページが3〜4枚並ぶなら、見出しで区切った1ページのほうが読みやすいことが多いです。ページ内リンクで目次を付けます。
- タグや絞り込みにする:事例やお知らせは、業種・サービス別の階層を作るより、一覧にタグで絞り込みを付けるほうが、更新時の置き場所に迷いません。
- 横のリンクで補う:サービス詳細から関連事例へ、事例から該当サービスへ。階層ではなく横の導線で行き来できるようにします。
このうえで、現在地が分かるようにパンくずリストを置きます。深さを増やさない代わりに、「今どこにいるか」と「隣に何があるか」をはっきりさせる考え方です。
決めた構造は、テストで確かめる
3階層はあくまで私の出発点で、正解ではありません。前述の NN/g の記事でも、構造の検証にはカードソーティングやツリーテストが挙げられています。私は予算が小さい案件でも、テキストだけのサイトマップを見せて「採用情報を見るならどこを押しますか」と5問ほど聞くようにしています。社内の数人に聞くだけでも、ラベルの分かりにくさはかなり見つかります。
公開後は、アクセス解析で途中の一覧ページの離脱や、サイト内検索の語句を見ます。検索で頻繁に探されている情報が2階層目から見えないなら、ナビかカテゴリの切り方を見直すタイミングです。
明日から試せる一手
今のサイトマップを開いて、4階層目以降にあるページに印を付けてみてください。そのうえで、印の付いたページごとに「1ページにまとめる」「タグにする」「横のリンクで補う」のどれで3階層に戻せるかを1語ずつ書く。全部に答えが出なくても、どこから構造を浅くできるかの見当はつきます。