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2026.09.27/4 min read#language#modern-web#direction

PHPとWordPressの現在地——テーマ・ブロック・ヘッドレスの選び方

WordPressの作り方は、クラシックテーマ・ブロックテーマ・ヘッドレスの3つに分かれています。私が案件ごとにどれを選ぶか、PHPのバージョンをどう確認するか、更新する人の目線で決める理由を書きます。

WordPressで何かを作るとき、いま私が最初に決めているのは 「誰が、どこを、どれくらいの頻度で更新するか」 です。その答えで、PHPで書くクラシックテーマ、ブロックで組むブロックテーマ、WordPressを管理画面としてだけ使うヘッドレスの3つから選びます。技術の新しさで選ぶと、公開後に更新する人が困ることが多いと感じています。

前提:PHPのバージョンを最初に確認する

どの作り方を選ぶにしても、サーバーのPHPのバージョンは着手前に確認しています。WordPress公式の動作環境ページでは、推奨を PHP 8.3以上、MySQL 8.0以上またはMariaDB 10.11以上 としています。PHP 7.4以上でも動作はするものの、それらはサポートが終了していてセキュリティ上のリスクがある、という注記つきです(WordPress Requirements)。

PHP側のサポート期間は php.net の Supported Versions で確認できます。各ブランチは2年間の通常サポートと、その後2年間のセキュリティ修正のみの期間があるとされています。私は見積もりの段階でこのページを見て、「公開後1〜2年のあいだにPHPの更新作業が入るか」を運用費に書くようにしています。レンタルサーバーの管理画面で切り替えられることが多いですが、古いプラグインが新しいPHPで動かないことがあるので、切り替えは検証環境で先に試す前提です。

クラシックテーマ:PHPのテンプレートで組む

クラシックテーマは、header.php や single.php といったPHPファイルでページの形を決める、昔からの作り方です。公式ドキュメントでも、PHPベースのテンプレートの仕組みは今も引き続きサポートされていると説明されています(What is a theme?)。

私がこれを選ぶのは、レイアウトを固定して、更新する人には「文章と写真だけ」を触ってもらいたい案件 です。お知らせや実績の一覧のように、形が決まっていて中身だけが増えていくサイトは、カスタムフィールドとPHPのテンプレートで組むと崩れにくくなります。そのぶん、デザインを変えるときは毎回コードを触ることになるので、制作側が保守に入る体制とセットで提案しています。

ブロックテーマ:更新する人がレイアウトまで触る

ブロックテーマは、2022年1月のWordPress 5.9で「フルサイト編集」とともに本格的に入ってきた作り方です。このとき同梱されたTwenty Twenty-Twoが、初めてのデフォルトのブロックテーマだと公式に紹介されています(WordPress 5.9 “Josephine”)。

中身は、色や余白・書体を定義する theme.json と、ブロックのマークアップで書かれたHTMLのテンプレートです。サイトエディターから、制作者も利用者もテンプレートを編集できます。独自のブロックを作る場合は、block.json に定義を書くと、サーバー側とエディター側の両方で同じ定義を使って登録できると説明されています(block.json)。

私がこちらを選ぶのは、更新する人が「このページだけ段組みを変えたい」を自分でやりたい案件 です。ただ、何でも触れる状態にすると、半年後にページごとに余白や色がばらばらになりがちです。私は theme.json で色と文字サイズの選択肢を絞り、使ってほしいパターンを数個用意してから渡すようにしています。

ヘッドレス:WordPressを「入力画面」として使う

ヘッドレスは、WordPressで記事を管理し、表示は別のフロントエンド(Next.jsなど)で行う作り方です。WordPressにはREST APIが標準で入っていて、/wp-json/wp/v2/posts のようなルートで投稿の一覧を取得できます(REST API Handbook)。

表示の自由度や速度の面で魅力はありますが、私は選ぶ前に次の3点を確認しています。

確認すること 理由
プレビューが必要か 管理画面の「プレビュー」がそのままでは使えず、別途仕組みが要る
使いたいプラグインは表示側に効くか フォームやSEO系は、表示を担う側で作り直しになることがある
サーバーが2つになる運用を誰が見るか WordPressとフロントエンドの両方に更新作業が発生する

どれか1つでも答えに詰まるなら、私はクラシックかブロックテーマを提案します。ヘッドレスは「表示を別に作る理由」がはっきりしているときに向いている、というのが今の私の考えです。

明日から試せる一手

いま関わっているWordPressサイトで、管理画面の「サイトヘルス」を開いて、PHPのバージョンを確認 してみてください。あわせて、そのサイトを実際に更新している人に「最近どこを触ったか」を聞くと、次にリニューアルするときにクラシック・ブロック・ヘッドレスのどれが合うかの答えが、かなりはっきりしてきます。